迎えのない朝の表紙

VOLUME 002 · YU-ZORA ORIGINAL

完結ミステリー

迎えのない朝

箱二つと、ミシン一台。

閉店した写真館で、運送屋の男が死んでいた。椅子からずり落ちた身体、両手には黒い糸。仕事控えには、箱二つと、ミシン一台の小さな引越しが残っていた。初めて組む二人の刑事が、死者の引き受けた仕事をたどり始める。

長さ
106,353字
収録
序章・本編26章・終章
初回掲載
最終更新
序章から読む
#警察#バディ#連続殺人

STORY

この物語について

被害者の宇津木健は、一人で運送屋を営んでいた。箱一つから荷物を運び、料金をまけては妻に叱られる。仕事の控えには、そんな依頼がいくつも残っている。

所轄の戸崎岳は、人に会い、その人が通った道や働いた店を見て回る。県警の成瀬千紘は、報告の曖昧な時刻を一つずつ確かめる。同じ事件を追っていても、立ち止まる場所が違う。

前年十一月の引越し。写真館の棚の下見。二人は宇津木を知る人たちを訪ね、最後の仕事へ向かった足取りを追う。

登場人物を見るネタバレなし +
戸崎岳、成瀬千紘、広瀬修一、新見郁子、宇津木健、宇津木恵、北原仁、北原詩乃の人物画
上段左から:戸崎岳・成瀬千紘・広瀬修一・新見郁子。下段左から:宇津木健・宇津木恵・北原仁・北原詩乃。 大きな画像を開く ↗
戸崎 岳とざき がく
南浦署刑事課の巡査部長、34歳。人に会いに行くのが早く、見立ても早い。あとから成瀬に確かめ直されることもある。離れて暮らす娘との約束が気にかかる。
成瀬 千紘なるせ ちひろ
県警捜査第一課の警部補、28歳。曖昧な時刻や主語を、そのまま報告に残せない。確かめているうちに時間を使いすぎる。写真館の事件で戸崎と組む。
広瀬 修一ひろせ しゅういち
県警捜査第一課の係長。成瀬たちから報告を受け、捜査員を各所へ送り出す。
新見 郁子にいみ いくこ
県警で検視調査を担当する警察官。写真館の現場に入り、遺体の状態を調べる。
宇津木 健うつぎ けん
小さな運送業「ひと箱便」を一人で営む。荷物が少なくても相談を断りきれず、妻に呆れられることもある。写真館で遺体が見つかる。
宇津木 恵うつぎ めぐみ
健の妻。夫の仕事の電話を取ることもあった。健を愛しているが、その気前のよさには長年腹も立ててきた。
北原 仁きたはら じん
かつて縫製工場を営んでいた。今は会社に残る建物を管理する。宇津木へ、旧写真館の棚の下見を頼んでいた。娘は昨年、家を出た。
北原 詩乃きたはら しの
仁の娘、26歳。服飾の仕事を続けるため、昨年父の家を出た。

本作はフィクションです。人物・団体・事件は架空です。
人物画は画像生成を使用しています。
本作品は試験的に執筆しており、公開後も改稿を続けています。

全文をテキストで保存 ↓

目次

序章・本編26章・終章
  1. 01序章
  2. 02屋根のない駅
  3. 03名前を知っている
  4. 04撮影室
  5. 05今日の配達
  6. 06冬を越した箱
  7. 07店を開ける人
  8. 08鍵を渡すまで
  9. 09部屋へ戻る服
  10. 10使わない鍋
  11. 11二人目
  12. 12青い丸
  13. 13三つの現場
  14. 14紺の半袖
  15. 15片方の補助輪
  16. 16店の中
  17. 17返す服
  18. 18店じまい
  19. 19積込口
  20. 20一人分
  21. 21手を貸す
  22. 22言い分
  23. 23返す日
  24. 24丸を消す
  25. 25迎えに来る人
  26. 26あと一歩
  27. 27向かいの席
  28. 28終章 迎えのない朝