雨を閉じこめるの表紙

VOLUME 001 · YU-ZORA ORIGINAL

完結ミステリー

雨を閉じこめる

雨の日、返せなかったもの。

返却済みの箱から、持ち主に届いていないカセットが出てきた。大学三年の宮原灯は、自分で返すと約束する。旧分室の片づけを手伝う日々は、先生の死で途切れた。残された雨の録音を聞き直しながら、灯は、自分が見聞きしたことをたどり始める。

長さ
76,284字
収録
全24章
初回掲載
最終更新
第一章から読む
#録音#大学生#連続事件

STORY

この物語について

横浜。来週には空になる大学の旧分室で、灯は地域の人たちから借りた写真や録音を、持ち主へ返すアルバイトをしている。

頼めば手を貸してくれる先輩。字の読みやすさを褒めてくれる先生。作業のあとには食事に行き、ゲームで負ければ言い合いになる。灯には、もう少し一緒にいたい人たちがいる。

返却を待つカセットをきっかけに、二年前の展示の話が持ち上がる。あのとき、誰が何を言ったのか。灯も、その場にいた一人だった。

登場人物を見るネタバレなし +
灯、律、航、久住、沙帆、西崎の鉛筆画
上段左から:灯・律・航。下段左から:久住・沙帆・西崎。 大きな画像を開く ↗
宮原 灯みやはら あかり
社会学部三年。資料整理のアルバイトをしている。断る理由を考えているうちに、たいてい引き受けてしまう。律との買物は少し楽しみ。
早瀬 律はやせ りつ
文学部四年。図書館で働き、写真も撮る。人を撮るときは迷わないが、自分の服はなかなか選べない。航とは恋人同士。
蒼井 航あおい わたる
芸術系の四年生。分室の仲間をよく遊びや食事に誘う。律の恋人。姉の澪とは、進路の話になるとぶつかる。
久住 颯太くすみ そうた
工学部二年。高校の頃から公開講座に通い、機械を触ってきた。修理の相談なら先輩にも遠慮しない。勝負で手を抜かれるのは嫌い。
小野寺 沙帆おのでら さほ
音楽系三年。録音を聞ける形に移す仕事を担当。小劇場の求人に応募しようとしている。店の注文は早い。
西崎 要にしざき かなめ
大学院生。資料事業の事務と支払いを担う。学生には口うるさいが、店員に何か頼むときは妙に腰が低い。
真壁 敦史まかべ あつし
地域の音声記録を集めてきた教員。学生の話を面白がって聞き、食事の席も盛り上げる。事業の終了を前に、資料の返却を進めている。
田辺 依子たなべ よりこ
資料の貸し借りや持ち主への連絡を手伝ってきた。電話交渉がうまく、学生に食べ物を持ってくる。三輪幸枝の姉。
瀬川 直子せがわ なおこ
事件を担当する刑事。旧分室に出入りしていた人たちを訪ね、その日のことを聞いていく。
蒼井 澪あおい みお
航の姉。大学を離れ、印刷店で働いている。沙帆がときどき店に顔を出す。弟からは、大学に戻らないかと勧められている。
三輪 幸枝みわ ゆきえ
夫を水害で亡くした。大学へ貸したカセットを返してほしいと電話をかけてくる。姉と会うと、遠慮のない言い合いになる。
くらげ
灯のオンラインゲーム仲間。本名も、どこに住んでいるかも知らない。負けたときの言い訳は、互いによく知っている。

本作はフィクションです。人物・団体・事件は架空です。
人物画は画像生成を使用しています。
本作品は試験的に執筆しており、公開後も改稿を続けています。

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目次

全24章
  1. 01返却済み
  2. 02片方ずつ
  3. 03百円玉
  4. 04おかわり
  5. 05雨の間
  6. 06声の置き場所
  7. 07返す人
  8. 08帰らない夜
  9. 09名前を書くところ
  10. 10六時まで
  11. 11先に行って
  12. 12持ってくる方
  13. 13戻った部屋
  14. 14抜粋
  15. 15渡した写真
  16. 16誰と食べた
  17. 17家で聴く
  18. 18煮える間
  19. 19まだいる
  20. 20もう一杯
  21. 21行かない返事
  22. 22持って帰る
  23. 23白い画面
  24. 24雨漏り