STORY
この物語について
横浜。来週には空になる大学の旧分室で、灯は地域の人たちから借りた写真や録音を、持ち主へ返すアルバイトをしている。
頼めば手を貸してくれる先輩。字の読みやすさを褒めてくれる先生。作業のあとには食事に行き、ゲームで負ければ言い合いになる。灯には、もう少し一緒にいたい人たちがいる。
返却を待つカセットをきっかけに、二年前の展示の話が持ち上がる。あのとき、誰が何を言ったのか。灯も、その場にいた一人だった。
登場人物を見るネタバレなし +

- 宮原 灯みやはら あかり
- 社会学部三年。資料整理のアルバイトをしている。断る理由を考えているうちに、たいてい引き受けてしまう。律との買物は少し楽しみ。
- 早瀬 律はやせ りつ
- 文学部四年。図書館で働き、写真も撮る。人を撮るときは迷わないが、自分の服はなかなか選べない。航とは恋人同士。
- 蒼井 航あおい わたる
- 芸術系の四年生。分室の仲間をよく遊びや食事に誘う。律の恋人。姉の澪とは、進路の話になるとぶつかる。
- 久住 颯太くすみ そうた
- 工学部二年。高校の頃から公開講座に通い、機械を触ってきた。修理の相談なら先輩にも遠慮しない。勝負で手を抜かれるのは嫌い。
- 小野寺 沙帆おのでら さほ
- 音楽系三年。録音を聞ける形に移す仕事を担当。小劇場の求人に応募しようとしている。店の注文は早い。
- 西崎 要にしざき かなめ
- 大学院生。資料事業の事務と支払いを担う。学生には口うるさいが、店員に何か頼むときは妙に腰が低い。
- 真壁 敦史まかべ あつし
- 地域の音声記録を集めてきた教員。学生の話を面白がって聞き、食事の席も盛り上げる。事業の終了を前に、資料の返却を進めている。
- 田辺 依子たなべ よりこ
- 資料の貸し借りや持ち主への連絡を手伝ってきた。電話交渉がうまく、学生に食べ物を持ってくる。三輪幸枝の姉。
- 瀬川 直子せがわ なおこ
- 事件を担当する刑事。旧分室に出入りしていた人たちを訪ね、その日のことを聞いていく。
- 蒼井 澪あおい みお
- 航の姉。大学を離れ、印刷店で働いている。沙帆がときどき店に顔を出す。弟からは、大学に戻らないかと勧められている。
- 三輪 幸枝みわ ゆきえ
- 夫を水害で亡くした。大学へ貸したカセットを返してほしいと電話をかけてくる。姉と会うと、遠慮のない言い合いになる。
- くらげ
- 灯のオンラインゲーム仲間。本名も、どこに住んでいるかも知らない。負けたときの言い訳は、互いによく知っている。
本作はフィクションです。人物・団体・事件は架空です。
人物画は画像生成を使用しています。
本作品は試験的に執筆しており、公開後も改稿を続けています。