店を出ると、雨は降っていなかった。
踏切の前で宏和が写真を出した。陶子さんから最初の方を大きいまま送ってもらったという。
白い壁の前で、拓海が亮の腕を引いていた。僕は笑いかけ、宏和だけ正面を向いていた。
「俺の顔、いいから消してない」
亮が言った。
「ほとんど俺の後ろだけど」
「見えるとこはいい」
宏和は揃った方も出した。拓海の両手は身体の横へ下がっていた。
「大きいの、送って」
僕が頼むと、二枚とも来た。
電車が通り過ぎた。画面の四人は、これから並び直すところだった。
「来週、もうちょい早く食わねえ?」
駅へ向かう途中、亮が言った。
「五時くらい。昼から七時まで、今日、長かった」
「店は?」
「土曜、四時まで。今度は昼の飯も、店で食う」
「じゃ、俺も五時。午前、材料買いに行くけど」
宏和が言った。
「また箱?」
「たぶん」
「席、広い所にしろよ」
僕は予定を開いた。五時は空いていた。
「俺、問題、持ってっていい?」
「難しくないやつなら」
「難しいのも出す」
「飯、先に食わせろよ」
亮が言った。宏和は、俺は聞くだけ、と答えた。
「賞品は、見てきた?」
「見てない。次、もらう」
「じゃ、肉だったら呼べよ」
僕は土曜の五時に飯と入れた。店はまだ決めなかった。
改札で財布を開くと、名刺の角に触れた。紙の袋も鞄にあった。
先に通った亮が階段の下で待っていた。宏和と僕もホームへ上がった。
ベンチに三人分空いていた。宏和は本を膝へ置き、亮は傘を足の間へ立てた。
次の電車まで六分と出ていた。