箱の外で待ち合わせの表紙

VOLUME 003 · YU-ZORA ORIGINAL

完結ミステリー

箱の外で待ち合わせ

荷造りの終わらない、週末。

閉館する小劇場「木曜日」で、折戸歩は長箱を車へ載せた。荷造りを手伝った週末、仲間の頼みを引き受けるうちに、運ぶ物も行き先も変わっていく。焼けた箱を前に、歩は自分が持った荷物を思い返す。

長さ
52,260字
収録
本編18章・終章
初回掲載
最終更新
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#群像劇#小劇場#引越し

STORY

この物語について

東京都品川区、北品川の小劇場「木曜日」。二十三歳の歩は、かつて自分も舞台に立った劇場へ、閉館の片づけを手伝いに来た。今は引越し会社で働いて三年。

衣裳、大道具、返しそびれた借り物。荷物をまとめたいのに、顔を合わせれば話が延び、三分の芝居の客役まで頼まれる。

来週の仕事、名古屋へ運ぶ台、まだ読んでもらっていない原稿。それぞれの予定を抱えた人たちが、閉館前の週末に集まっていた。

登場人物を見るネタバレなし +
小劇場に集う九人の鉛筆画
上段左から:折戸歩、花村小鈴、榊透子。中段左から:椎名都、芦原ルカ、鵜飼凪。下段左から:門脇源、畑野修司、若松サエ。 大きな画像を開く ↗
折戸 歩おりと あゆむ
23歳。引越し会社で働いて三年。以前は「木曜日」の芝居にも少し出ていた。荷造りをしに来たはずが、ほかの頼まれごとも引き受けている。
花村 小鈴はなむら こすず
24歳。催しの司会や受付をしている。歩を見つけると、練習の客役を頼む。「三分」で済むかどうかは、歩にも分からない。自分で短い話も書いている。
榊 透子さかき とうこ
32歳の調査員。源から依頼を受け、片づけの続く「木曜日」を訪れる。劇場の人たちとは初対面。
椎名 都しいな みやこ
25歳。衣裳の仕事に加え、劇場の経理も手伝う。ルカと同居中。閉館を前に、借りた物や支払いの確認に追われている。
芦原 ルカあしはら るか
27歳。内装の仕事をしながら、大道具を作ってきた。都の恋人。劇場が閉まったあとの仕事について、二人でまだ話ができていない。
門脇 源かどわき げん
61歳。小劇場「木曜日」を始めた大道具職人。片づけの最中も、次の使い手へ渡す道具を直している。若い出演者たちとは、よく言い合いになる。
畑野 修司はたの しゅうじ
41歳。劇場の制作担当。金の工面から差入れの手配まで、皆に頼られてきた。歩が劇場へ通い始めたきっかけを作った人でもある。
鵜飼 凪うかい なぎ
20歳の俳優。閉館までの様子を動画に残している。源に買ってもらった靴の代金を、少しずつ返しているところ。
若松 サエわかまつ さえ
68歳。長く劇場の衣裳を作ってきた。閉館に合わせ、預けた布や貸した衣裳を引き取りに来ている。

本作はフィクションです。人物・団体・事件は架空です。
人物画は画像生成を使用しています。
本作品は試験的に執筆しており、公開後も改稿を続けています。

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目次

本編18章・終章
  1. 01運んだ箱
  2. 02三分の役
  3. 03窓の裏
  4. 04帰ってから
  5. 05下ろした分
  6. 06受取人の署名
  7. 07靴の袋
  8. 08焦げた角
  9. 09聞いていた人
  10. 10店の前
  11. 11持ったまま
  12. 12二つの水
  13. 13切る方
  14. 14見られる客
  15. 15聞こえる方
  16. 16土曜の九時
  17. 17返す紙
  18. 18台を下ろす
  19. 19終章 二回目